コンベヤー上のカードから、中央のプロフィールパネルと、チェック印とバツ印が付いた2通の封筒へ矢印が伸びている。

まず、企業の公式ページを手作業で確認します。書き出したデータには、調査すべき名前や記述があります。成果物は、役割、裏付けとなる情報源、未解決の疑問が明確な調査対象企業リストにしてください。

作業前に企業の役割を定義する

求人掲載者とは、求人を掲載した組織として示されている組織です。人材紹介会社とは、依頼主のために採用活動を行う組織です。記載上の最終雇用主とは、その職の雇用主として求人情報に記載された企業です。これらの役割を、それぞれ異なる組織が担う場合があります。1つの組織が複数の役割を担う場合もあります。

役割ごとに別の項目を設けます。人材紹介会社の名前を、依頼主の名前で置き換えないでください。置き換えると、誰が求人を掲載したかを示す根拠が失われます。

企業の実体とは、ある名前が指すものとして確認した、公開情報上の事業者です。企業間関係は、根拠資料の中で2つの事業者がどうつながっているかを記録したものです。人材紹介会社の実体を確認しても、特定の依頼主との関係を確認したことにはなりません。

複数の人材紹介会社が同じ求人を掲載しているように見える場合、この区別が重要です。2023年12月7日公開、2026年10月25日取得の公開の議論(質問の背景のみ。内容は未検証)では、投稿者が、報酬、就業形態に関する表現、契約期間の異なる人材紹介会社の求人について述べています。この懸念は、それぞれの記述を誰が示したのかを確認する理由になります。ただし、各求人が同じ1件の募集を指すことを立証するものでも、雇用主を特定するものでもありません。

調査対象企業リストが答えるのは、どの企業名が、どの役割で、どのような根拠とともに登場するかという限定的な問いです。それらの企業が何人を採用する予定かは分かりません。

元データの項目と確認用の項目を分けて保存する

書き出したデータのコピーを、変更せずに保存します。確認メモは、別の作業用の表に追加してください。元データの各行には、別の読者がその行を再び見つけられる参照番号などを付けます。

Google Jobs Scraperの確認済み公開ビルドでは、次の項目が定義されています。ビルドとは、プログラムの特定の版です。定義された項目でも、情報源や項目の規則で認められていれば、値が欠ける場合があります。

元データの項目と確認用の項目を分けて保存する
元データの項目今回の確認で残す内容
`companyName`元の企業名表記。確認済みの名称で置き換えない
`title`取得したままの求人の職種名
`description`取得できた説明文。依頼主名と、その名前が登場する文脈を含む
`location`取得できた所在地の表記
`jobId`文字列として保存した、情報源の識別子
`jobUrl`取得できた場合は求人ページのURL
`observedAt`記録された観測時刻
`via`元の値。雇用主を示す値だと決めつけない
`status`元の状態の値
`statusReason`元の理由の値

URLとは、ウェブページのアドレスです。識別子とは、記録を指定するための値です。`jobId`は、情報源名と観測記録の参照番号などと一緒に保存します。企業の識別子として使わないでください。

これらの項目は、公開デフォルトビルド0.2.30(2026年10月25日確認。項目定義と静的検証のみ。実際の実行なし)に基づいています。この確認は、データが取得可能であること、対象を網羅していること、収集が成功することを立証するものではありません。

確認用の小さな表を3つ作ります。台帳とは、固定の参照番号などを付けて保存する一覧です。企業台帳、企業間関係表、元データ行の確認表を用意してください。

元データの項目と確認用の項目を分けて保存する
表分析担当者が作成する項目の例目的
企業台帳`entityRef`, `originalName`, `checkedName`, `aliases`, `officialUrl`, `identityEvidence`, `identityState`企業の実体と、求人情報の記述を分ける
企業間関係表`relationshipRef`, `sourceRowRef`, `advertiserRef`, `recruiterRef`, `statedEmployerRef`, `clientState`, `relationshipEvidence`役割と、記載された依頼主との関係を記録する
元データ行の確認表`sourceRowRef`, `sourceName`, `importRef`, `jobId`, `jobUrl`, `observedAt`, `reviewState`, `reviewReason`, `reviewer`, `reviewedAt`, `nextCheck`各判断の情報源をたどれるようにする

これらは、確認用に提案する項目です。Actorが追加で出力する項目ではありません。Actorとは、ホスティング環境で動くデータ収集プログラムです。

別名とは、ある企業に使われる別の名称です。別名は、確認済みの企業の実体とのつながりを示す根拠と一緒に保存します。つづりが似ているだけでは、調査を始める理由にしかなりません。

根拠のメモには、ページのアドレス、確認日、該当する文言、その文言が裏付ける結論を残します。企業の実体を示す根拠と、企業間関係を示す根拠を分けてください。1つのページが裏付けられるのは、片方の結論だけかもしれません。

8つの手順で調査対象企業リストを作る

1. 元の企業名表記をすべて残す

`companyName`を、取得したとおりに元データの記録へコピーします。求人ページのURL、説明文、観測時刻も一緒に残してください。

項目の値が欠けている場合は、その状態を記録します。欠けている企業名を、検索語句や求人を載せていたウェブサイトの名前で置き換えないでください。URLが欠けている場合は、取り込み時の参照番号などを残し、URLを取得できていないと記録します。

この確認作業で、求人同士を照合する仕組みを作り直さないでください。企業の実体の確認と、同じ求人かどうかの確認は別の判断です。後者の確認が必要な場合は、重複求人と再掲載の可能性を確認するガイドを使ってください。

2. 明確な記述に基づいて役割を割り当てる

企業名表記と説明文を併せて読みます。どの組織が求人掲載者として登場し、どの組織が採用を代行し、どの組織が最終雇用主として記載されているかを記録してください。

役割の割り当てには、それぞれ根拠となる文言を添えます。説明文に依頼主名があれば、依頼主との関係が記載されている根拠になります。ただし、その関係を独立に確認したことにはなりません。

説明文に「当社の依頼主」としか書かれていない場合は、雇用主の実体を不明のままにします。組織の役割が明確でなければ、その役割を未解決と記録してください。すべての企業名表記を、無理に雇用主の項目へ入れないでください。

`via`も、元データの情報として残します。確認した項目定義だけでは、その値を採用代行者や雇用主の役割の証拠として扱う根拠にはなりません。

3. 企業の公式ページの候補を探す

名前が挙がった組織の公式ウェブサイトを、手作業で検索します。ページの内容がその組織とのつながりを裏付けるまでは、各検索結果を候補として扱ってください。

サイトに記載された事業者名と所在地を確認します。求人情報と比較してください。関連する企業情報、問い合わせ先、採用情報のページがあれば読みます。一致した事実と、まだ情報がない点を記録してください。

見覚えのある名前や、それらしいウェブアドレスだけでは不十分です。ウェブサイトのアドレスを、独立した法人が存在する証拠として扱わないでください。公開された根拠が屋号やブランドだけを裏付ける場合は、その公開情報上の実体を記述します。法人としての実体まで主張しないでください。

4. 企業の実体と求人の参照番号を別々に確認する

求人管理番号とは、雇用主が募集案件に付けるコードです。求人情報や企業の公式ページに記載されていれば、確認メモとして残します。今回使う定義済みの出力項目には含まれていません。

名前、所在地、取得できた求人管理番号を併せて比較します。具体的にどこが一致するかを書き残してください。所在地が一致しない場合や、公式ページが別の事業者を示す場合など、矛盾点も記録します。

企業の公式ページは、企業の実体を裏付けても、掲載された求人を裏付けるとは限りません。その募集案件を明記した公式採用ページは、求人に記載された雇用主を裏付ける、より直接的な根拠になります。これらの結論は分けてください。

裏付けとなる公開根拠が見つからなければ、その記述は未解決のまま残します。一致するページがないことは、企業や求人が虚偽である証拠にはなりません。

5. 根拠で同一と確認できた企業だけをまとめる

確認した企業ごとに、固定の`entityRef`を1つ付けます。名称の表記違いをその参照値に結び付けるのは、根拠がそのつながりを裏付ける場合だけにしてください。

名前が同じという理由で企業をまとめないでください。人材紹介会社と依頼主をまとめないでください。複数の不明な依頼主を、名前のない1社にまとめないでください。

2つの行に同じ名前があっても、企業の実体の確認が未完了なら、候補ごとの参照値を残し、不確かな点を説明します。名前が繰り返し登場しても、同じ1社であるとは確定できません。

別名だと確認できた場合も、元の表記と情報源を残します。別の確認担当者が、表記同士を関連付けた理由を把握できるようにしてください。

6. 人材紹介会社と依頼主の関係に関する各記述を残す

企業間関係表では、人材紹介会社と記載された依頼主を、別々の参照値で保存します。その関係を、根拠となる求人情報に結び付けてください。

1件の求人に書かれた依頼主の情報を、その人材紹介会社のすべての求人に当てはめないでください。行Aに依頼主名があっても、行Bの名前がない依頼主を特定したことにはなりません。

意味が明確な少数の確認状態を使います。例えば、「求人の記載のみ」は、その関係が求人情報に書かれていることを意味します。「公開根拠あり」は、その関係について、求人とは別の公開根拠を保存したことを意味します。「未解決」は、根拠だけでは判断できないことを意味します。

これらの状態は、分析担当者が選ぶものです。Actorが行う分類だと主張するものではありません。各状態には、必ず判断理由を添えてください。

7. 実際に確認したものを、単位を分けて数える

求人の観測記録、名前のある企業候補、実体を確認した企業、未解決の依頼主との関係を、それぞれ別に報告します。各数値が何を数えたものかを明記してください。

特定済みの雇用主を重複なく正確に数える際に、名前が不明な依頼主を含めないでください。その依頼主は、リストの別の場所にすでに登場しているかもしれません。どちらかを判断する根拠はありません。

依頼主名が欠けていても、依頼主が0社という意味ではありません。依頼主の実体が不明という意味です。公開情報の確認がうまくいかなくても、雇用主が0社という意味ではありません。その確認では疑問を解決できなかったという意味です。

求人の件数も、採用意向を測るものではありません。繰り返しの観測と傾向分析は、別の求人情報を繰り返し記録して比較するガイドで扱ってください。

8. 企業について判断する前に、次の確認を決める

企業についての判断とは、調査リストに追加するかどうかなどを決めることです。その判断を変える可能性がある未解決の企業の実体や企業間関係を、すべて見直してください。

未解決の記録ごとに、次に何を確認するかを具体的に決めます。例えば、公式採用ページの確認、所在地の不一致の解消、名前が示された依頼主との関係の裏付けの確認などです。

調査候補と、公開根拠のある雇用主との関係を分けて扱います。雇用主に関する記述が未解決でも、調査対象企業リストへの登録は、追加調査を行う理由になります。

Actorで元データ行を収集する

主な方法は、引き続き手作業による企業の実体の確認です。Google Jobs Scraperには、この作業のデータ収集部分に適した入出力項目が文書化されています。用途に適していることは、企業の実体を特定する精度の試験結果でも、調査対象企業リストを完成できる証拠でもありません。

Taskとは、Actor用に保存した入力設定です。Company Hiring Monitor with Google Jobs Task(2026年10月25日確認。ページの存在のみ。保存設定と実行動作は未検証)を出発点にできます。正確なTask IDは`lc9Xg20bumfb452dl`です。

少量収集用に提案する、次の入力を使ってください。

json
{
  "market": "US-en",
  "maxItems": 3,
  "queries": ["data analyst"]
}
Actorで元データ行を収集する

`data analyst`を、調べたい職種に置き換えます。対象市場が異なる場合は、`US-en`を対応する市場の値に置き換えてください。提示した値は、確認済みの入力規則に含まれています。提案した小規模な試行では、`maxItems`を3のままにしてください。

この入力は静的検証に合格しました。静的検証とは、データを収集せず、設定を定義済みの入力規則と照合することです。このガイドの作成にあたり、Actorは実行していません。この例は、置き換え用として提案する入力です。Taskに現在保存されている設定のコピーではありません。上限の3は、3行の結果や3社の雇用主が返ることを保証しません。

自分で収集した後は、企業の実体の確認を始める前に、返された項目を点検します。`status`と`statusReason`は、取得したまま残してください。それらの意味を勝手に決めないでください。保存された行があることを、収集が完了した証拠として扱わないでください。

この方法では、公開求人と企業の公開ページを使います。非公開の応募者の状況、受信メッセージ、社内の採用承認など、所有者だけが見られる記録は必要ありません。後で非公開情報による確認を行った場合は、公開根拠と分けて保存し、その情報が適用される限定的な範囲を明記してください。

学習用に作成した架空の例で確認する

学習用に作成した架空の例です。Actorの実行結果、顧客の成果、実際の企業を観測した調査結果ではありません。

架空の求人の観測記録3件には、次の記述があります。A、B、Cは学習用の記号であり、実際の情報源の識別子ではありません。

学習用に作成した架空の例で確認する
観測記録求人掲載者採用代行者記載上の最終雇用主架空の求人内の根拠
ABirch TalentBirch TalentNorth Mill説明文がNorth Millを依頼主として挙げている
BBirch TalentBirch Talent依頼主不明依頼主名の記載なし
CNorth Mill記載なしNorth Mill求人情報がNorth Millを直接名指ししている

AとBでは、Birch Talentを求人掲載者と採用代行者として残します。AとCでは、North Millを記載上の最終雇用主として残します。Bの依頼主は不明のままにしてください。

Cの「記載なし」は、採用代行者が存在しないという意味ではありません。この架空の根拠では特定されていないという意味です。同様に、Bで依頼主名が欠けていても、Bに依頼主がいないという意味ではありません。

調査対象企業リストには、異なる役割を持つ名前のある事業者が2社と、未解決の依頼主との関係が1件あります。繰り返し登場する名前は、関連付けを確認する候補になります。公式情報による企業の実体の確認に代わるものではありません。

計算では、次の単位を使います。

  1. 求人の観測記録:Aの1件 + Bの1件 + Cの1件 = 観測記録3件。
  2. 架空の例に登場する重複のない名前:Birch Talent + North Mill = 名前のある事業者2社。
  3. North Millを最終雇用主として挙げる観測記録:A + C = 雇用主に関する記述のある観測記録2件。
  4. 依頼主名のない観測記録:B = 未解決の依頼主との関係1件。

名前のある事業者2社と、不明な依頼主との関係1件を足して、確認済みの雇用主が3社と報告しないでください。これらの数値は、異なるものを表しています。Birch Talentは人材紹介会社の役割を担っています。不明な依頼主は、North Millかもしれませんし、別の組織かもしれません。この例では、その点を判断できません。

この例には、公式情報による企業の実体の確認結果はありません。そのため、確認済みの雇用主数は未確定です。その空白を0で埋めないでください。この3件の観測記録から、従業員数、募集人数、採用が成立した人数は分かりません。

次の確認では、Birch TalentとNorth Millが公開情報上でどの事業者に当たるかを調べます。その後、Aに記載された依頼主との関係について、別の裏付けを探します。Bは、根拠によって依頼主を特定できるまで未解決のまま残してください。North Millの実体を確認しただけでは、人材紹介会社とのどちらの関係も確認したことにはなりません。

結果を使う前に、確認できなかった状態を点検する

企業調査に使う前に、調査対象企業リスト全体を見直してください。

結果を使う前に、確認できなかった状態を点検する
確認時の状態記録する内容未解決の点
企業名表記がない元データの値が欠けていることと、行の参照番号など企業の実体
依頼主名の記載がない依頼主不明の関係最終雇用主の実体
公式ページを利用できない確認できなかったこと、URL、確認日確認対象の記述
名前は似ているが、つながりを示す根拠がない候補を別々に記録し、残る疑問を示すそれらの名前が同じ1社を指すかどうか
企業の実体には裏付けがあるが、関係にはない確認済みの企業の実体と、求人の記載のみで示された関係人材紹介会社と依頼主のつながり
公開根拠同士に矛盾がある両方の情報源と矛盾点どちらの記述を採用するか
収集に失敗した、または得られた根拠が不明確収集結果と、取得できた状態関連の項目意図したサンプルを収集できたかどうか

確認できなかったことを、求人が終了した、または企業が採用を止めたという主張に変えないでください。古い根拠には日付を残します。後でページが変わっても、保存した求人情報が観測時点で何を記載していたかは変わりません。

書き出したデータの対象範囲も、分かるように残してください。小規模な検索で得たものは、収集したサンプルです。完全な企業一覧ではありません。後で収集元を比較する場合は、別の求人情報源の網羅性に関するガイドを使ってください。行数が多いファイルほど雇用主リストとして正確だとは扱わないでください。

出典と参考資料

著者 Chronometrica · 更新日

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