淡い紫、青、ピンクのグラデーションを背景に、時計と棒グラフを備えた3枚の半透明の投稿カードが、1つの比較表につながっている。
有用な比較をするには、投稿、各件数、確認した時刻をひとまとめにして記録します。

この数値は、フォロワーの2.8%が投稿に反応したという意味ではありません。フォロワー以外の人もコメントやシェアができ、1人が複数のアクションを起こすこともあるため、この率は容易に100%を超えます。ページインサイトへのアクセス権限がなければ、ユニークリーチなどの非公開の管理用指標は確認できません。そのため、フォロワー数に対するこのシンプルな比率で投稿を比較すれば、競合の投稿やクリエイターの納品物を、明確で再現可能な基準で比較できます。

公開されている数値が実際に数えているもの

Facebookの投稿を公平に比較するには、まず公開されている数値が何を表すのかを理解する必要があります。Metaヘルプセンターのページインサイトガイドなどの公式資料では、ページインサイトは、そのページに対する権限を持つ人に非公開指標を提供するものだとMetaが説明しています。アクセス権限がない場合、閲覧できるのは一般向けのページに表示される公開件数だけです。

公開カウンターが記録するのはアクションの発生件数であり、重複を除いた人数ではありません。1人が投稿に「いいね!」を付け、別々のコメントを3件残し、自分のタイムラインにその投稿をシェアすると、その1人によって公開件数に5件が加わります。内訳はリアクション1件、コメント3件、シェア1件です。公開数値からは、実際に何人が投稿を見たのか、何人の購入者が商品を購入したのかは分かりません。分かるのは、そのコンテンツで公開アクションが何件発生したかです。

投稿への反応を1つのスコアにまとめるには、各指標を正確に扱うことが重要です。

  • リアクション:公開された感情表現による反応を記録します。たとえば「いいね!」「超いいね!」「大切だね」「うけるね」「すごいね」「悲しいね」「ひどいね」などです。Facebookの画面では、基本の「いいね!」の件数はリアクション総数にすでに含まれています。「いいね!」数とリアクション総数を足すと、同じアクションを2重に数えることになります。リアクション総数など、全体を含む指標を1つ選び、個別の「いいね!」数は加算しないでください。
  • コメント:計算式に使う、公開表示されたコメント数です。投稿に表示される集計件数を反映しますが、書き込まれた返信や非表示の返信がすべて、その都度すぐに表示件数へ加算されるとは限りません。
  • シェア:計算に使う、公開表示されたシェア数です。タイムライン、グループ、ページへの再投稿について、画面に表示される集計件数を表します。

リアクション総数、公開表示されたコメント数、公開表示されたシェア数を足すと、その投稿で計上された公開アクションの合計を明確に把握できます。

フォロワー数ベースのエンゲージメント率の計算式

規模の異なるページ間で投稿を比較するには、計算式が必要です。フォロワー数ベースのエンゲージメント率は、公開データから計算できる複数の方法のうち、有用な選択肢の1つです。

分数では、上にある数を「分子」と呼びます。ここでは測定対象のアクション数です。下にある数を「分母」と呼びます。比較の基準として、分子を割るときに使う総数です。

今回の計算式は次のとおりです。

フォロワー数ベースのエンゲージメント率 = (リアクション総数 + コメント総数 + シェア総数) / フォロワー総数 * 100

計算結果が意味することと、意味しないこと

計算結果が2.8%なら、その投稿にはページのフォロワー100人当たり2.8件の公開アクションが集まったという意味です。ページのフォロワーの2.8%が投稿に反応したという意味ではありません。

この違いが重要な主な理由は3つあります。

  1. フォロワー以外の人も反応できる:Facebookの公開投稿は、そのページをフォローしていない人のフィード、検索結果、シェア先のタイムラインにもよく表示されます。フォロワー以外の人によるアクションも分子に入りますが、その人たちは分母のフォロワー数には含まれません。
  2. 1人が複数のアクションを起こせる:前述のように、熱心なユーザー1人が1つの投稿に10件のコメントを残すこともあります。この10件のアクションによって分子は増えますが、オーディエンスの人数としては、そのユーザーは1人です。
  3. 率が100%を超えることがある:フォロワー以外の人も参加でき、同じユーザーが複数回アクションを起こせるため、小規模なページで投稿が大きく拡散すると、アクション総数がページのフォロワー数を容易に上回ることがあります。フォロワー数ベースのエンゲージメント率が150%というのは、アカウントのフォロワー当たり1.5件の公開アクションが記録されたという意味にすぎません。

フォロワー数はページ全体の規模を示すものであり、投稿が実際にどれだけ表示されたかを示すものではありません。非公開データがない場合、フォロワー数は有用な分母の1つですが、あらゆる分析に共通する基準ではありません。閲覧数当たりの率や投稿当たりの平均は、それぞれ別の分析上の問いに答えるものです。

分母の欠損と丸められた数値の扱い

有効な率を求めるには、分子と分母の両方に有効な値が必要です。投稿者のプロフィールやページに公開フォロワー数が表示されていない場合や、表示された件数が0の場合は、フォロワー数ベースのエンゲージメント率を計算できません。0や欠損した値で割った結果は定義できず、率が0になるわけではありません。記録には架空の数値を入れず、率を算出不可として示してください。

また、Facebookの画面では、大きな公開数値が丸めて表示されることがよくあります。たとえば、正確な件数の代わりに「1.2K」と表示されます。2つの投稿で、丸められた数値が同じか、ほぼ同じ場合は、どちらかが上だと決めつけず、公開データ上では同程度として扱ってください。丸められた数値が同程度で優劣を判断できない場合は、隠れた数値を推測せず、コメントの内容や投稿形式など、ほかの明確な要素に基づいて判断するか、後日の記録を待ってください。

公開データを体系的に収集する

数値を手作業でスプレッドシートにコピーして貼り付ける方法は時間がかかり、人的ミスも生じます。作業を自動化すれば、複数のリンクから一貫した方法で公開件数を収集できます。

複数の投稿をまとめて処理するには、Chronometrica Facebook Metrics ScraperをknownUrlsモードで実行できます。startUrlsリストに対象のリンクを指定すると、ツールは各項目について、取得可能な公開件数、コンテンツを識別する基本情報、観測日時を示すscrapedAtタイムスタンプ、ステータスフィールドを返します。取得可能なフォロワー数も必要な場合は、設定でincludeAuthorProfileMetricsを有効にする必要があります。ただし、すべての投稿者やプロフィールでフォロワー数が取得できることを保証するものではありません。

収集したデータセットを管理するときは、データの扱いに関する厳格なルールを守ってください。

  • 数値の0と欠損データの違い:記録された件数が0なら、アクションが観測されなかったことを示す、計算に使える有効な値です。フィールドの欠損やnull値は、その指標がページ上に表示されていなかったか、収集できなかったことを意味します。欠損フィールドを0に置き換えてはいけません。
  • 一部しか取得できなかった場合と取得に失敗した場合の扱い:実行結果には、読み込みに失敗した入力、処理をスキップした入力、取得できる公開指標がなかった投稿が明示されます。一部のデータしかない行もレポートに残し、どの投稿を測定でき、どの投稿には公開データがなかったのかを読者が把握できるようにしてください。
  • タイムスタンプの記録:scrapedAtフィールドは、スクレイパーがページを観測した正確な日時を記録します。これは各時点の記録をいつ取得したかを示すものであり、すべての投稿を同じ時刻や公開後の同じ経過時間で取得したことを示すものではありません。この収集ツールには公開日時が含まれないため、別途確認するか、不明として記録する必要があります。各数値をいつ取得したか分かるように、実際の収集日時を記録してください。

現在の公開データを取得しても、過去にさかのぼって3日目や7日目のカウンターの値を取得することはできません。そのため、一定の間隔で繰り返し確認するように設定する必要があります。Chronometrica Facebook Metrics Scraperを定期実行するように設定すれば、実際に観測した各時点の記録を継続して取得できます。

投稿の比較:公開後の経過時間、形式、背景

同じ計算式を使っても、背景にある条件がすべてそろうわけではありません。計算した率が同じ2つの投稿でも、その数値に至った状況はまったく異なる可能性があります。公開コンテンツを比較するときは、公開後の経過時間、形式、目的を考慮する必要があります。

公開後の経過時間

投稿への反応は時間とともに蓄積します。三週間前に公開された投稿には、コメントやシェアが集まる時間が二十一日間ありました。一方、六時間前に公開された投稿は、公開後まだ間もない段階です。両者をそのまま比較すると、誤った結論につながります。

たとえば公開から約7日後に指標を記録するなど、公開後の一定の時点で記録するようにすると、データセット内の一貫性が高まります。ただし、7日間という期間は比較基準をそろえるものであり、実験室のように条件を統制するものではありません。収集日程を整理する助けにはなりますが、外部要因によるばらつきをすべて取り除けるわけではありません。

コンテンツの形式

Facebookでは、コンテンツの形式によって配信の仕組みが異なります。

  • テキスト投稿、Facebookに直接掲載する画像投稿、外部リンクのシェア、リール動画では、ユーザーの反応を促す方法がまったく同じではありません。
  • 動画の視聴回数と再生回数は、それぞれ別のカウンターで観測され、すべての投稿タイプに共通する単一の定義はありません。また、同じユーザーが繰り返し視聴しても、カウンターが必ず一定数ずつ増えるとは限りません。
  • 形式の違いを記載せずに、短尺動画とテキストのみのリンク投稿をそのまま比較すると、異なる2つのユーザー体験を混同することになります。

有料での拡散とビジネス上の目的

公開指標からは、その投稿の配信に費用が投じられたかどうかは分かりません。競合やクリエイターが費用をかけて数百万人のユーザーに投稿を宣伝すれば、分母となるフォロワー数を増やさずに反応件数を増やすことができます。公開件数の多さは、オーディエンスの自然な関心だけでなく、有料広告への支出を反映している可能性があります。

さらに、公開指標はビジネス上の価値を証明するものではありません。ユーモラスなミームが数千件の気軽なリアクションを集めても、ウェブサイトへのアクセスは0件かもしれません。一方、真面目な製品発表は、アクション総数が少なくても、有望な見込み客を引き付ける可能性があります。公開データを使ったエンゲージメントの計算が測るのは、表面に現れた注目であり、利益、売上、戦略上の成功ではありません。

架空の具体例と繰り返し使える作業手順

この計算を実務でどう使うか、架空の状況で考えてみましょう。あるマーケティング担当者が、四半期の製品キャンペーンについて、異なる2人のクリエイター(クリエイターAとクリエイターB)が提出した、スポンサー付き投稿の納品リンク2件を評価しています。

担当者は、Chronometrica Facebook Metrics Scraperを使った一定の手順に従い、各投稿の公開日からそれぞれ約7日後に、両方の投稿の公開件数を収集します。

架空の具体例と繰り返し使える作業手順
収集した指標投稿Alpha(クリエイターA)投稿Beta(クリエイターB)
公開フォロワー数50,000120,000
リアクション総数(「いいね!」を含む)1,2001,800
コメント総数150400
シェア総数50200
公開アクションの合計1,4002,400
フォロワー数ベースのエンゲージメント率2.80%2.00%

計算の手順

投稿Alphaの計算:

  1. 公開アクション数を合計します。1,200 + 150 + 50 = 1,400件です。
  2. 公開フォロワー数で割ります。1,400 / 50,000 = 0.028です。
  3. 100を掛けて百分率に変換します。0.028 * 100 = 2.80%です。

投稿Betaの計算:

  1. 公開アクション数を合計します。1,800 + 400 + 200 = 2,400件です。
  2. 公開フォロワー数で割ります。2,400 / 120,000 = 0.020です。
  3. 100を掛けて百分率に変換します。0.020 * 100 = 2.00%です。

マーケティング担当者による結果の活用方法

計算結果から、フォロワー数に対するアクション数の比率は投稿Alphaのほうが高く(2.80%対2.00%)、公開アクションの総数は投稿Betaのほうが多い(2,400件対1,400件)ことが分かります。

公開データだけでは、誰がそのアクションを起こしたのか、クリエイターAがオーディエンスの反応をより効果的に引き出したのか、いずれかの投稿が実際の売上につながったのかは証明できません。クリエイターAのほうが共感を得た、あるいはクリエイターBのほうがオーガニックリーチが広かったとは主張できません。どちらの投稿の宣伝にいくら使ったのかも、フォロワー以外の何人が数値に寄与したのかも分からないためです。

分析を重視するマーケティング担当者は、広範な主張をする代わりに、この結果を使って次に行う具体的な調査を決めます。

  1. 追加で投稿を確認する:投稿Alphaはフォロワー数に対するアクション数の比率が高いため、さらに調べる価値があると考えられます。担当者は投稿を開き、やり取りに購入検討者からの実際の質問が含まれているのか、それとも同じようなスパムが繰り返されているのかを確認できます。
  2. 内容を質的に調べる:Chronometrica Facebook Comments Scraperを使えば、投稿Betaのコメント400件と投稿Alphaのコメント150件の実際の本文を抽出できます。本文を確認すると、ユーザーが製品価格について質問していたのか、それともプレゼント企画のために友人をタグ付けしていただけなのかが分かります。
  3. 条件を絞って比較する:両方の投稿が同じ形式で、有料広告への支出が0であれば、担当者は今後の試験施策で、クリエイターAと協力して、似た広告クリエイティブのコンセプトを試すことを選ぶかもしれません。投稿Betaが動画で、投稿Alphaが静止画だった場合は、形式の違いを記録し、公開数値だけで最終的な勝者を決めることは避けます。

有用なレポートの構成

Facebookの公開指標をチームメンバーやクライアントに示すときは、計算そのものと、実務で使う際の限界の両方が読者に伝わるように要約を構成してください。ニュースの出来事、広告クリエイティブの質、アルゴリズムの変更については、裏付けとなる直接的な証拠がない限り、未検証の推測を避けてください。

公開データを使った実用的な成果レポートには、次の4つの簡潔なセクションを含めます。

  1. 収集の概要:指標を取得した正確な日時、使用したツール、比較基準に選んだ公開後の経過時間(公開から7日後など)を記載します。
  2. 観測した指標の表:フォロワー総数、リアクション数、コメント数、シェア数、アクション総数、計算したフォロワー数ベースのエンゲージメント率を一覧にします。欠損フィールドや取得できなかったフォロワー数を明示します。
  3. 形式と背景に関する注記:投稿形式(画像、テキスト、リンク、リール)を示し、有料で宣伝されたことを示す目に見える情報があれば記載します。また、公開数値が丸められているために、推定にわずかな差が生じ得る箇所を示します。
  4. 目的を絞った次の対応:計算結果に基づいて行う具体的な追加対応を決めます。たとえば、コメント本文を抽出する、7日後に再度記録を取得するよう予定を組む、といった対応です。

明確に観測できる数値に基づいて分析し、公開データでは分からないことを明示すれば、透明性があり、再現可能で、実用的なレポートを作れます。

よくある質問

この計算を単に「エンゲージメント率」と呼ばないほうがよいのはなぜですか?

「フォロワー数ベースのエンゲージメント率」という正確な名称を使えば、レポートの読者全員が、どの分母を使ったのかを明確に理解できます。内部のダッシュボードでは、エンゲージメント率は、エンゲージメント数をユニークリーチで割った値を指すことがよくあります。分母を名称に明示すると、混乱を防げます。

ページがフォロワー総数を非表示にしている場合は、どうすればよいですか?

フォロワー数が欠損しているか表示されていない場合、フォロワー数ベースのエンゲージメント率は計算できません。公開アクション数(リアクション数、コメント数、シェア数)をそのままの件数で記録し、分母となるフォロワー数が取得できなかったことを注記してください。

「いいね!」数とリアクション総数が両方表示されている場合、合計してもよいですか?

いいえ。Facebookのリアクション総数には、ほかの感情表現による反応とともに、基本の「いいね!」も含まれます。「いいね!」数とリアクション数を足すと、同じユーザーのアクションを二重に数えることになります。リアクション総数だけを使ってください。

指標のフィールドが欠損している場合、その投稿への反応は0件という意味ですか?

いいえ。数値の0は、観測した反応件数が0だったことを意味します。フィールドの欠損は、そのデータが表示されていなかったか、取得できなかったことを意味します。欠損フィールドを0として扱うと、計算した平均値がゆがみます。

出典と参考資料

著者 Chronometrica · 更新日

ページの先頭へ ↑